通常であればこのページの背景は白のままなのですが、木人様からいただいたこのイラストを見た瞬間、
「いやぁ、これはやっぱ黒だろ」
夜の露天風呂>背景は夜をイメージ>黒という公式が出来上がりました。
もー、二人だけで露天風呂なんてソッチ系で妄想しちゃうのに(それはお前ダケダロ)、見てくださいよこの二人の表情を!!
短髪剣心やイラストの中にある台詞から「剣路が生まれた後の二人」ということが容易に推測できますが、ほのぼのとしていてまるで長年連れ添った夫婦のような雰囲気をかもし出しています。

このイラスト、メールに添付されてきたのですが、そのメールの内容も心温まるもので嬉しくて嬉しくて嬉しくて(以下エンドレス)
ああ、言葉にするのももどかしいッ
出来ることなら今すぐ彼女の体を抱きしめたいッ
それも出来ないからせめて隣の県から愛を叫ぶッ



σ(^^)も愛しているよーーーーーーーーー!!!!!!



そして下はイラストを見て湧き上がった妄想↓






「あー、いい気持ち」
薫が手足を伸ばすと水音が響き渡る。
ちゃぷちゃぷと音の余韻を楽しみつつ、温泉の心地良さにうっとりと目を閉じた。
「剣路と一緒に入ったときには慌しくなってしまったし・・・ゆっくりするといい」
「うん、剣心もお疲れ様。あの子ったら探検するとか言ってお宿中走り回っていたでしょ?いくら駄目って言っても聞かなくて結局剣心も一緒に行ったじゃない」
「はは・・・まぁくたびれたのは事実だが、それは剣路も同じでござろう。その証拠にぐっすり寝入っていたではござらんか」
「よっぽど疲れていたのね」

手を焼かせるやんちゃ坊主だが、それでも寝顔だけ見れば愛らしい子供だ。
最近は一人で出来ることも増えたので、以前ほど神経を尖らすこともなくなったが。

「なぁ薫殿」
物思いにふけっていた薫の体を後ろから包み込む。
「なぁに?」

「そろそろ二人目もよいでござろう?」
「やん、剣心ったら・・・」

笑いではぐらかしているのではないのは、己の腕に重ねられた手で分かった。
それを感じ取り、湯の中にあった彼女の体をざばりと引き上げる。
「きゃ!?」
短く悲鳴を上げたところで、薫の体は夫の腕の中に閉じ込められていた。
そっと妻の顔を上向かせ、桜色の唇をなぞるとそれが合図だったかのようにゆっくりと瞼が閉じられる。
出会った唇は温泉に入っているせいで湿っていたが、また別のものがお互いの唇を湿らせる。
緋色の髪に水滴がすべり、毛先から一滴落ちて水紋を作った。
長い口づけを終え、どちらからともなく熱い吐息を漏らす。
頬が上気しているのは湯あたりしているせいではない。
「薫・・・」
更に深く口づけようとしたそのとき。



♪ぴんぽんぱんぽーん
「お客様の・・・お呼び出しを申し上げます・・・東京からお越しの・・緋村様・・・・」



チャイムと共に歯切れの悪いアナウンスが流れてきた。

「お子様の剣路君がお待ちで・・・ちょっとちょっと、そこ触っちゃ駄目だって!」
「おかーさーん、どこ〜!?」
「今呼んだからもうすぐ来るよ・・・・えー繰り返しお呼び出し申し上げます。剣路君のお父様とお母様・・・・」
「おとうさんやだー!!うあああああん、おかーさぁん!!」
「え、お父さんイヤなの!?だって昼間はお父さんとずっと一緒にいたじゃん!」
「やだやだやだーーー!おかあさんがいいのッ」
「だあああ、泣きながら走り回るなーーー!こっちだって泣きたいわッ」



泣き叫ぶ子供は誰かなど聞かずとも分かる。
先ほどまでの静けさはどこへやら、騒音が響き渡る中で薫と剣心は深いため息をついた。



「・・・行きましょうか」
「いや、一緒に行けば余計剣路の機嫌が悪くなる。薫殿が迎えに行ったほうがよかろう」
「全く、お父さんが嫌だなんてあの子ったら・・・!」
「あまり叱らんでやってくれ。大好きな母を拙者にとられたと思って嫉妬しているだけでござろうよ」
理解しているように見えるが、視線は拗ねたようにあさっての方向を向いている。
口元を彩る笑みもどこか無理をしているようで何だかぎこちない。

「剣心」

呼びかけるとこちらを向いた。
その瞬間、薫の唇が音を立てて夫のそれに吸い付いた。
目を丸くして硬直している剣心に、
「今度は必ず・・・ね?」
少し照れくさそうに微笑み、夫の腕から抜け出して小走りに息子の下へ向かった。
一方の剣心は薫の後姿を追うこともせず、金縛りにでもあったかのように動けずにいた。

辺りは相変わらず大音量で泣き叫ぶ女将と剣路の声が響き渡っていた。



「「おかーーーさぁーーーん!!
 早く迎えに来てぇ〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!!!」」







ハイ、素晴らしき贈り物に妙な駄文を付けた無礼者です| |_・) ソォー
だって露天風呂とウチの宿が直結しちゃったんだもーん(=ヮ=)
結局こんなオチでスミマセン;

木人様、ありがとうございました!




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