「シフトダウンしないと上り坂が走行できない」を
「己の欲望のままに薫殿をいいようにしている剣心」に変換



身じろぎひとつしなくなった少女の様子を窺うと、規則正しい寝息が聞こえた。
一矢纏わぬ薫の体にはいくつかの所有印が残されており、手を触れるとまだ情交後の熱を帯びている。
疲れきってはいるが、ただ眠っているだけだと分かり、ほっと胸を撫で下ろした。










夕餉が終わり、寛いでいる最中に突然始まったそれ。
何がきっかけだったかなんて覚えていない。
無性に目の前の少女が欲しくなり、実行に移しただけだ。










最初は抗(あらが)う様子を見せていた彼女も、次第に剣心の愛撫に翻弄され、やがて甘い悲鳴を上げる。
薫の乱れる様は何度も見ているというのに、飽きることは無い。
むしろ、己しか知らぬその姿を目にするたびに新たな欲望が剣心の内から湧き上がるのだ。



それこそ、彼女をひと時でも離したくないほどに。



無論、そのようなことが出来るわけが無いと分かっている。
だからこそ、薫を己が腕に捕らえたときには際限なく求めてしまう。










つんと勃った頂の周りだけを攻められ、無意識に彼女は官能的な瞳を向ける。
散々焦らしたお詫びとばかりに蜜壷に指を突き立てて激しくかき回せば、甲高い嬌声と共に新しい蜜が溢れ出す。
「あはぁ、ん・・・いやあっ、けん、し・・・」
全身を這い回るような快楽に身を震わせるが、不安そうに剣心を見上げてくる。
官能に悶える彼女をいつまでも見ていたくて、蜜を絡めた親指でぷくりと熟れた花芯を撫でた。
「はぅん!」
逃れられぬよう薫の腰をしっかり抱き、指の動きはそのままに剣心は固く尖った頂を口に含んで吸った。
「いや・・・やぁっ、もうやめてぇ・・・」
いやいやするように頭を振り、何とか襲い来る官能を耐えようとするが、彼女の体は次を求めている。

「どうやらこれではまだ満足できぬようでござるな」
蜜壷から指を引き抜き、己の刀身を入り口にあてがった。

「な!?ち、違・・・ッ」
否定の言葉に耳を貸さず、剣心は無言で彼女の中に入っていった。
「ああああああああ!!!」
ずぶぶ、と濁った水音が響き、溢れ出した蜜が敷布に滴った。
奥まで繋がったことを確認すると、間髪おかずに律動を開始する。
「はっ、はん、あん!やめて・・・あぁん!!」
一度達すると体位を変えて腰を送り、薫が意識を手放すまで剣心は彼女と繋がったままだった。










無理をさせてしまったな。

彼女がまだこういったことに不慣れで立て続けに襲い掛かる快感についていけるだけの体力と理性がないことも分かっているのに、ひとたび肌を触れ合わせれば気遣ってやる余裕すらなくなる。
無理はさせたくない・・・・・それはもちろんある。
だが、我を失うほどに少女の体を貪(むさぼ)るその理由は。



「・・・これほどまでに狂わせているのは薫殿だというに」



そっと薫の隣に横たわり、自分とは違うやわらかな体を抱き寄せた。










俺をここまで煽っておいてそのまま放っておく気なの?
燃えたぎるようなこの熱は、君じゃなければ解き放つことは出来ない。










「薫殿はどう責任をとってくれるのでござろうか?」

きっと彼女は自覚すらないだろう。
大の男が一回りほども違う少女に振り回されるなど、人は情けないと笑うだろうか。










だが、それすら俺には甘美。










【終】

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いつぞや宿日誌で晒した文章を 裏仕様に 訂正し再UP。
以前運転していた車はターボ(注1)が付いていなくて、上り坂になるとアクセルを思いっきり踏み込んでも速度が落ちていくんですね。
こういうときはシフトダウンして車の力を強くしてから上っていくのですが、それでも何とかシフトダウンせず走行を続けたことがあり・・・・・
自分の車に無理させているな、と思ったところから「車=薫殿」と変換され上記のような妄想が(=ヮ=)
ちなみに今の車(注2)はターボ付きなのでよほどの急坂でないかぎりはシフトダウンの必要はありません。
ああ快適♪



注1:ターボチャージャーのこと。車によってターボ・スタートダッシュなど呼び方あり。
排気量を増やさないでエンジン出力をアップするもので、これによりギアを落とさないと走行できないような上り坂でもスイスイ走るようになる。

注2:以前の車は青で今の車は赤です。
区別できるよう今後は「以前の車=薫号」「今の車=剣心号」としておきましょうか(笑)