―Sei―   後編



剣心の胸が大きく上下し、息を吐き出した感触が薫の肌に直接伝わってきた。
薫は上肢を起こし、それにつられるようにして剣心も起き上がった。
雨に降られたせいで、二人とも頭からぐっしょりと濡れ、薫の涙も雨水と見分けがつかない。
しかし剣心はそれを涙と見たのか、薫の顔に手を伸ばし、濡れている頬をそっと拭った。










「蒼紫から、手紙をもらったのでござるよ。薫殿にこの場所を教えたと」










その言葉を聞いた瞬間、嘘、と思った。
この地がどんな場所であるかを剣心が知ったら、彼が苦しむ       それゆえ、薫に墓のありかを教えるのを躊躇したあの蒼紫が。



「あの人が・・・・剣心に教えたの・・・・・?」
ああ、と剣心は頷いた。
「だって、私にも最初は教えてくれなかったのよ?なのに、何で」
「おそらく、こんな道を薫殿が歩き続けたら、いつかは大怪我を負うのではないか、と心配したのでござろう」










思うに、蒼紫は薫に墓の場所を教えた時点で、そのことを剣心に伝えるつもりであったのではなかろうか。

これだけの悪路だ。一歩間違えれば取り返しのつかないような怪我を負ってしまう。

それならば、先に墓の場所を教えたことを剣心に伝えておけば、薫の身に危険が降りかかるのを回避できるかもしれない。
そう考えて、蒼紫は剣心に手紙を出したとしたら?










「絶対に言わないと思ったのに・・・・」
「薫殿」
困ったようにこちらを見る剣心と視線を合わせず、薫はそっぽを向いて言葉を続けた。

「無口なだけの人かと思ったけど・・・・こんなお人好しなところもあるのね」
そう言って、ふふ、と小さく笑った。










いつだったか操が、
「蒼紫様はすごくやさしいの」
と言っていたことを思い出した。



その時は理解できなかったが、今ならその言葉の意味がよく分かる。



今度同じことを言われたら、心から操に同意できそうだ。
そう考えるとちょっと楽しくなって、薫はまた笑った。










「笑い事ではござらんよ」










いつもより幾分低い声音が聞こえて、はっと剣心を見ると、彼は怒ったような、それでいて悲しそうな瞳で薫を見ていた。

「拙者がここに来なかったら、今頃どうなっていたことか・・・・」
あわてて笑いを引っ込め、
「ごめんなさい・・・」
とうつむいた。










傷つけたくないのに、また私はこの人を傷つけてしまった。










「ごめんなさい、剣心」
しゅんとうなだれた薫を見て、剣心は声音を和(やわ)らげ、言葉を紡ぐ。

「蒼紫も言っていたと思うが、この一件で薫殿が気にするようなことなど、何一つない。もとはといえば拙者のせいで、薫殿が悩むことなど」
「違うの、剣心のせいじゃない!」

強い口調で遮られ、剣心は口をつぐんだ。
「・・・・・確かに、雪代縁は剣心を憎んでいるからこそ戦いを挑んできたわ。でも、あの外印という男はそうじゃない」



自分の芸術を完成させるために一時的に縁と手を組みはしたが、剣心に対して何の恨みも持っていなかった。
縁が仲間と共に神谷道場を襲撃したあの日、別に彼でなくても薫を殺せる者はいたはず。
ひょっとしたら、屍人形を薫の死体として道場に残そうと提案したのは外印かも知れない。










芸術家として、最高傑作を作り上げるために、永遠の眠りについていた死体を奪い、そして辱めた。
己の自己満足のためだけに。










「あの男にとって、己の欲望を満たすものであればなんでも良かったのよ。そんな理由で死体を盗んで、切り刻んで・・・・その後弔われていなかったら、自分の蒐集(しゅうしゅう)物に加えようとしていたのよ?」
まるで自分がそうなったかのように、薫は怯えた様子で自分の肩を抱きしめた。



死んだ自分の体を、他人がいいように利用されている。
死んでしまった者は抗うことも出来ないし、悲鳴をあげることも出来ない。



「あの男がやったことは許されることではないけど、そのおかげで私は今こうして生きていられる。でも、私のせいで犠牲になってしまった人がいるのも事実だわ」










あなたが酷い目に遭ったのは私のせい。
でも、私が生きているのはあなたのおかげ。










「外印が手を組んだのが、たまたま縁だっただけ       だから剣心は、何も関係ないの」



そう言って、剣心に微笑んで見せた。
しかし、その笑顔はいつも見るそれより、とても儚く見えた。










サァァァァァ     ・・・










天から無数の雫が、二人の上に降り注ぐ。
それは剣心と薫の髪を伝い、頬をなぞり、地面に落ちていく。
剣心は薫の話を聞き、しばし考え込んでいたが、やがて薫の瞳をしっかりと捉えた。



「この場所のことは、拙者も前から知っていたでござるよ」



静かに告げられた言葉に、薫は驚きを隠せない。
「薫殿が縁に攫われた後の経緯を聞いた時に、蒼紫からこの場所を聞いたのでござる」










確かに。
薫がこの場所の存在に気付いたのに、剣心が気付かないわけがない。










「でも・・・私のほかに誰か来た形跡なんてなかったわよ?」
初めて薫がこの地を訪れたとき、墓前には何も供えられてはいなかった。



もし、剣心が来たのなら花くらい供えてあってもよさそうなものだ。



戸惑いながらも薫がその疑問を口にすると、
「蒼紫によって供養は済んだからあとはあるべき姿に戻るだけ       拙者は、今回屍人形に利用された故人の魂が、今度こそ安らかに眠れるように遠くから祈っていようと思っていた」

ここで一旦言葉を切り、だが、と続けた。

「この雨で今度こそ自然に還るかもしれぬ。そうなる前に直接伝えたいことがあったゆえ、この地に参ったのでござる」
「伝えたいこと?」
剣心は薫から視線をはずさぬまま頷き、










「やはり、拙者の過去がきっかけでこのような事態を招いてしまったことを謝りたかった」










それを聞いて、薫の瞳に緊張が走る。
しかし、それに対して剣心は安心させるようにいつもの笑みを返した。



「そして・・・・・薫殿を守ってくれてありがとう、と」
       え?」
さらりと言い放つ剣心に、呆気にとられる。
「今回の件で利用された者には、無関係であったにも係わらずこのようなことになってしまい、本当に申し訳ないと思う。しかし、そのおかげで薫殿の命は救われた       拙者はそのことで礼を言っておきたかったのでござるよ」



彼も薫と同じように、屍人形と化したかの者に対して、謝罪と感謝の気持ちを伝えたかったのだ。










剣心も、同じことを考えていたの?










己の中でうまく考えがまとまらず、何も言えないでいると、
「確かに、外印にとって己の欲を満たすことが出来れば、手を組むのは誰でもよかったのでござろうな」
そう言って剣心は、額に張り付いた前髪を煩そうにかき上げた。



「だからといって、薫殿のせいというわけではござらんよ」
「でも」
「断じて違う」



薫の否定の声に間髪いれずに、きっぱりと剣心が言い切った。



「あの屍人形は言ってみれば薫殿の身代わりになったようなものだから、薫殿が放っておけないのは分かる。だからといって、薫殿が全てを背負い込むのは間違いでござるよ」



薫の思いやりの心は、いつも他人に対して向けられている。
今も、自分の身代わりで酷い目に遭った人間がいることに心を痛めている。
例えそれが死んだ者でも、だ。



剣心は数多くの「死」を見てきた。
それゆえ、自分の中で整理でき、蒼紫の言葉にも素直に頷ける。
でも薫にとって「死」はまだ受け入れることが出来ないもの。










魂が天に昇り、肉体は自然に還る。










理(ことわり)は分かっていても、まだ薫には理解できないのであろう。

今の薫は通常の「死」でも納得できないこともあるだろうに、今回の屍人形のような「死」を目の当たりにして混乱している。
もう既に死んでしまった者が人形という仮の「生」を与えられ、再び死んでしまった現実を、薫の中では受け入れることが出来ないでいるのだ。










分からなくていい。
むしろ、分かってほしくない。










剣心とて「死」を受け入れたわけではなく、どちらかといえば慣らされた、というほうが正しい。



この国の未来のため、と自分に言い聞かせて凶剣を振るい、数多くの屍を乗り越えてきたあの時代。
いちいち気にかけていたらこちらが殺(や)られるため、「死」に対する己の感覚を麻痺させた。

否、麻痺させねば、己が狂っていた。










「薫殿がかの者の『死』まで受け入れることはないのでござるよ」

無論、薫がこれから歩む人生の中で、彼女なりに「死」を理解する日が来るだろう。
しかし、今はまだ理解して欲しくなかった。
陽の光が良く似合うこの少女に、翳(かげ)りの色は似合わない。










それは己のわがままだろうか?
愛しい少女には、いつも明るく笑っていて欲しいというのは        










「それでも、私・・・・私は・・・・・」



薫もまた、剣心の言葉がその場限りの慰めではないということを痛いほど感じていた。
だからといって、己の心が軽くなったわけではない。
自分のせいで墓を暴かれ、望みもしない姿にさせてしまったという自責の念は、簡単には消えてはくれなかった。



剣心の言葉に素直に頷けず、頭を垂れ、逡巡するように膝の上で拳を握り締めると、その上から剣心の温かな手が重なった。










「もし、薫殿がかの者の『死』を背負うのなら」










薫がゆっくりと顔を上げる。
困惑で揺れている瞳を捉え、剣心は重ねた手に力を込める。










「拙者にも背負わせてくれまいか?」










その言葉が耳に届いた瞬間、薫の中で何かがすとん、と音を立てて落ちていった。
完全に胸の澱みが消えたわけではないが、剣心の一言で、薫は心が軽くなったことを感じていた。










共に背負ってくれる人がいるということは、なんて素敵なことだろう。










もう一人で悩まなくてもいいんだ        そう思うと胸の奥から言いようの無い感情が溢れ出し、目頭が熱くなる。
涙が出そうになるのをこらえるために慌てて下を向き、薫は唇を噛んだ。



「薫殿?」



そんな薫を気遣ってか、剣心は彼女のかんばせに手を伸ばす。
すると、その手が届くかというところで薫が、つと顔を上げた。











「剣心・・・・・ありがとう」










少々瞳は潤んでいるが、薫は剣心に笑顔を見せた。
それは、先ほど見せた儚い笑顔ではない。



少女の本当の微笑みを見て、剣心もまた、安堵したように顔をほころばせた。
そして、薫の頬に張り付いた後れ毛を指で払う。

その頬に伝う雫はもはや涙ではなく、まごうことなき雨の雫。



      ねぇ剣心、お願いがあるの」

涙目になっているのをごまかすかのように、薫が明るい声音で剣心に言った。
「おろ?拙者に出来ることであれば、なんでも聞くでござるよ」
そんな薫に合わせて、少しおどけた様子で剣心が応える。
だが次の瞬間、薫が発した一言で剣心の顔から笑みが消えた。










「剣心の背負っているものを、私にも背負わせて」










笑顔のままだが、その瞳は真剣な色をたたえている。
その様子に気圧されて、剣心は返答に詰まった。
「私は剣心じゃないし、貴方の全てを分かっているなんておこがましいことは言わないわ。でも今まで一緒にいた中で、剣心が背負っているものがどんなものかは分かるつもりよ」
真剣な光はそのままに、しかし包み込むような優しい目で、剣心を見つめる。
何か言おうと、剣心が口を開きかけたが、それを封じるかのように、更に言葉を紡ぐ。



「私が剣心の代わりに全部背負うなんて言わない。でも、私にも剣心が背負っているものを分けてほしい・・・・・貴方が私の分を背負うと言ってくれたように」
「薫殿       
「ね、剣心お願い!」











真顔になった剣心が困惑しているのを見て、悪戯っぽい笑みさえ浮かべて顔の前で手のひらを合わせた。
剣心が薫の言葉に悩まぬようにするための配慮だろう。

もともと、薫はいつか剣心に言おうと思っていた。










剣心が背負っているものが少しでも軽くなれば・・・・・










しかし、真正面から剣心に告げてもやんわりと拒絶されるだろう。
それが、剣心のやさしさであることは十分理解している。
だがこの場合、薫にとって彼のやさしさは苦痛以外の何物でもない。
だからこそ、わざとおどけて言ったのだ。



しばしの間、剣心は目の前で手を合わせている少女を見て、ぽかんとしていたらしい。
やがて、薫の意図するところが分かり、










やられた・・・・・










と心の中で白旗をあげた。
そして、仕方ないという顔を作り、
「出来ることであれば、何でも聞く、と言ったのは拙者の方でござったな」
と言うと、薫が期待を込めた目で剣心を見た。
「その問題については、むしろこちらからお願いしたいくらいでござるよ」
「じゃあ、剣心      



しかし、剣心は右手を上げてその先を封じた。
そして、再び真顔になり、薫に問いかける。



「だが、薫殿も知っての通り、拙者の背負っているのは拙者自身の過去とそれにまつわる罪。薫殿が共に背負うことで、傷つくことがあるかもしれん・・・それでも良いのでござるか?」
剣心の言葉に対して、薫も表情を引き締める。
「確かに、私自身傷つくことがあると思う・・・・でも、二人ならその痛みも半分になるわよ」



きっぱりと答えた薫の瞳に迷いは無かった。
剣心は、そんな彼女の言葉に少なからず衝撃を受ける。










この少女は、傷つく痛みも分け合おうというのか。










胸の奥が熱くなり、返す言葉が見つからない。
いや、どんな高尚な言葉を並べても、今の自分の心は言い表せない      そんな気持ちが剣心の心を占め、声を発することが出来なかった。










「ほら剣心、そろそろ帰りましょ。早く帰って着替えないと二人揃って風邪ひいちゃうわ」
自分が言ったことに対して剣心が何も言ってこないことに恥じらいを覚えたのか、少々大げさとも言える動きでその場から立ち上がった。
薫の言葉に、ああ、と短く相槌を打って、剣心もその場から立ち上がった。
そのまま一歩踏み出そうとして、ふと動きを止めた。



「剣心?」



不審に思って呼びかける薫に剣心はくるりと背を向け、そのまま頭を垂れた。
突然の彼の行動に理解できず、しばし剣心の動きを見守っていた薫は、あることに気付いてはっとした。










剣心が頭を下げたのは、屍人形の墓のある方向である。
薫もそれに習い、剣心と共に頭を垂れた。










そのまま揃って黙祷していたが、剣心が振り返った気配を感じ、薫も顔を上げた。
二人とも言葉を発せず見つめ合っていたが、やがて剣心が言いにくそうに切り出した。



「・・・・拙者としては、薫殿に悲しい顔をさせたくは無いのでござるが・・・・」
「あら、それは私の台詞よ。剣心てば、何でも一人で抱え込もうとするんだもの」
「おろ、それは手厳しい」



ぽつりと漏らした本音を、薫にあっさり切り返され、なんとも情けない限りである。
決まり悪そうに頭をかく剣心とは裏腹に、薫は当然のことを言ったまで、といたって普通。
その様子を見て、剣心としてはいささか面白くない。










剣心の瞳が悪戯っぽく光った。










「・・・・確かに、一人で抱え込むのはやめたほうがいいでござるな・・・」
盛大なため息をつき、がっくりとうなだれる剣心に驚いて、薫が下から覗き込む。
「剣心?やだ、そんな落ち込まないでよ」



少々うろたえて、剣心の顔をよく見ようと一歩近づいた瞬間。



「きゃあ!?      ちょっと、剣心ッ」

薫が慌てるのも無理は無い。
彼女の体は、剣心によって抱きかかえられてしまったからだ。
自分とさして身長は変わらないのに、こうして軽々抱きかかえられると、改めてこの人は男であると実感させられる。
しかし、今はそんなことを考えている場合ではない。



「いきなり何するのよ!」
「薫殿の言うとおり、一人で抱え込まずにした結果でござるが・・・?」
「何をどうしたらこういう結果になるのよ!」
横抱きされ、両足が宙に浮いている状態で必死に抗議の声を上げるが、剣心は聞こえないふりをする。
「拙者としても、抱え込むなら薫殿のほうが良かろうと思ってのことでござるが       うん、一人で抱え込むより、こっちのほうがいいでござるなぁ」
「ば、ばか!!下ろしてよ〜ッ」










羞恥のため、頬を真っ赤に染めている薫を満足げに見下ろし、剣心は一歩踏み出した。

その拍子に、薫の体がぐらりと揺れ、慌てて剣心の首にしがみつく。
だが、すぐ自分の行動に気付き、その手を放そうとするが、剣心は薫の耳元でこう囁いた。










「そのまま、しっかりつかまっているでござるよ。雨で地面がぬかるんでいるゆえ、斜面を降りるにはこのほうが早い」
顔を寄せた剣心の声とともに、彼の吐息が薫の耳にかかる。
その熱い吐息にびくりとして、薫の動きが止まった。
そして、そのままおとなしく剣心の腕の中におさまる。
何も言ってこないため、怒っているのかと思って彼女の表情を窺うが、うつむいているため、どんな顔をしているのか分からない。
しかし、耳まで真っ赤にしているところを見ると、どうやら怒ってはいないようだ。



遠慮がちに己の首に手を回す薫がとても可愛らしく、思わず口元が緩む。



足元に注意しながら斜面を下っていくと、今まで黙り込んでいた薫が、小さな声でこう言った。
「私も・・・・・ていくから・・・・」
「え?」
あまりに小さな声だったため、聞き取れずにいると、薫は赤い顔のまま、おずおずとその顔を上げた。
それでもしばらくは、躊躇うように視線を泳がせていたが、やがて薫の瞳が剣心の瞳を捉え、彼女は口を開いた。










「剣心のも・・・・・私が抱えていくから・・・・・」










薫の言葉に剣心は驚いたように彼女の瞳を見返していたが、やがてふっと破顔し、薫を抱く腕に力をこめた。



「そうでござるな・・・これからは、二人でお互いを支えていこう」



その笑顔に、薫も安堵したように笑みを浮かべ、彼の肩に自分の頭を乗せた。




















雨は降り続き、止む気配は無い。
剣心と薫を己の中に閉じ込めておきたいかのように、雨が容赦なく二人に降り注ぐ。

だが、お互いを守るように寄り添う二人が、追いかけてくる雨に負けることはないだろう。










【終】

前編    小説置場



・・・今読み返すとなんて無理矢理な展開なんだ(滝汗)
単純に「薫の屍人形はどこに葬られたのか」だけを書くつもりがなんでこんなややこしいことに(><)

死ぬのは薫だったはずが、無関係の人間(の死体)が自分の身代わりになっている。
屍人形に利用された死体に対して、薫は罪悪の念を持っているわけですな。
一方の剣心も放ってはおけないタチだけど、蒼紫に「弔いは終えたから、あとは自然に還すだけ」って言われて、「それが一番いい方法」と納得はしていると思う。
薫と剣心とでは「死」の捉え方が違うのかな? ほら、人生経験の差もあるし(笑)

「死んでしまえば自然に還る」
それは分かっているけど、納得できないから悩む薫。

今まで数多くの「死」を見てきた剣心は、自分の中で整理できる。
でも薫にとって「死」はまだ受け入れることが出来ないもの。

人が死ぬ→魂が天に帰り、肉体は自然に還る
流れは分かっていても、受け入れられるかって言うのはまた別問題だと思います。

実際σ(・_・ )も、大人になってやっと寿命で亡くなった人たちの「死」を受け入れることが出来るようになりましたが、理不尽な亡くなり方をした人のニュースを見ると、どうしたって納得できない時があります。
「なんで?どうして?」と嘆いたところで、死んだ命は戻ってこない。
悩みながらも自分の中で答えを出して、そうやって人は「死」というものを受け入れていくんだろうか、と思っています。

当初、剣心は登場しない設定だったのですが・・・ やっぱりここは剣心に締めてもらいたいし。
ついでにちょっといちゃいちゃしてもらいたいし←おい
難しい&暗いだけじゃ、σ(^◇^;)がしんどいので・・・